野茂氏の元女房役ピアザ氏、名門サッカークラブの買収から撤退を表明
パルマ買収を「断念」、名門クラブはアマチュアから再出発へ
ドジャース、メッツなどで活躍し、野茂英雄氏の元女房役としても知られる名捕手のマイク・ピアザ氏が、破産宣告したイタリアの名門サッカークラブ、パルマの買収交渉から撤退を表明した。
「大いなる悲しみと後悔とともに、私はFCパルマの買収交渉を断念することを発表せざるを得ない。クラブの基礎が甚大な損害を受けている状況で、現在と将来的な安定性をもたらす投資はできないと、この計画の共同投資家とともに判断した」
ピアザ氏はこのように声明を発表。買収に名乗りを挙げていたもう1つの投資家グループも正式撤退を表明したばかりで、パルマの経営再建者を希望する人間は現時点でなくなった。
父親の祖父がイタリア移民であるピアザ氏は、ドジャーズ時代に野茂氏の女房役を務めた強打者で、2007年に現役引退。その後、第二の故郷のイタリアで野球活動の普及に尽力するなど、活躍の場を広げてきた。イタリア国内でも野球が盛んな都市として有名なパルマを本拠地とする強豪の経営再建に立候補していたが、状況は急転した。
逮捕者を出すなど、パルマの経営には様々な問題が存在した可能性は高く、税金滞納、選手、スタッフへの給料未払いと多くの問題を抱える。破産宣告したパルマは、2260万ユーロ(約31億円)の負債を支払うオーナーが現れなければ、来季セリエBに登録することもできないとされていた。
しかし、唯一残されていた買収希望者がいなくなったことで、かつて中田英寿氏が活躍し、欧州のサッカー界を席巻した名門は、負債返済の目処が立たなくなった。リーグ登録に間に合わず、来季はアマチュアのセリエDから再出発するという。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count