夢を叶えた「上原二世」 メジャーデビュー飾る村田透、これからも続く挑戦
「自分を変えたい」、消えることのなかった闘争心
2010年の時点で25歳。マイナーは若手の育成の場とあり、時間はそうないことも分かっていた。おとなしい性格だった村田が変わることを決めた。
日本で実績のない選手が3Aでスタートできるはずもなかった。初めは1Aから。5年かけて、ようやく今回のチャンスをつかんだ。30歳になっていた。消えることのなかった闘争心が、1Aからの夢を実現させた。
下部組織からメジャーまで昇格することは簡単なことではない。これまでメジャーデビューした日本人選手とはまた違う形。培われた精神力、メジャーで活躍したいという本気度、そして野球への愛は、過去を選手たちと比べても間違いなくトップレベルだ。
巨人時代はマウンドで見せる精神的な弱さを指摘されたことも多かった。
「自分を変えたいと思っています」
アメリカへの挑戦はその欠点を変えるためでもあった。村田のメジャー登板を先輩の上原をはじめ、巨人ナイン、日本プロ野球の関係者、そして多くの野球ファンが楽しみに待っている。応援する人たちには、勝敗なんて、関係ない。変わった姿、夢をつかんだ男の生き様を見たいだけだ。
チーム事情から、今回の登板だけで再びマイナーに戻ることが決まっている。だが、この1度の登板で、MLBや日本のプロ球団への新たな道が開ける可能性もある。5年前にメジャー挑戦を決断した村田は、ゴールにたどりついたわけではない。まだまだ夢の途中。さらなる飛躍をとげてほしい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count