黒田、2949日ぶり完封逃す あと2死からまさかのサヨナラ負け
118球の力投も報われず
広島の黒田博樹投手が30日、東京ドームで行われた巨人戦で先発。9回1死まで巨人打線を無失点に抑える好投を見せていたが、まさかのサヨナラ負けを喫した。黒田は日本で2007年6月3日以来、2949日ぶりの完封目前で敗戦投手となった。
巨人は先発の高木勇が8回1失点と粘りのピッチング。8回まで黒田の前に3安打と抑えられていた打線も、阿部の同点タイムリー、亀井のサヨナラ犠牲フライで試合をひっくり返し、2-1で勝利した。
巨人の先発はルーキーながら既に6勝を挙げている高木勇。最近の登板で3連敗を喫している高木は、立ち上がりから安定した投球を見せる。テンポも良く、両サイドを上手く使う投球で広島打線に的を絞らせない。
一方、広島の先発は今季から日本球界に復帰した黒田。今季初めて巨人戦に登板した右腕は、ツーシームと変化球を交えた普段通りの投球で、巨人打線を手玉に取る。両投手の好投で、試合は痺れるような投手戦に。
6回表、先頭の丸が四球で歩くと、続く菊地は難なく送りバントを決めて1死二塁とチャンスを作る。ここでシアーホルツが見逃し三振に倒れツーアウト。続く四番の新井が一、二塁間に痛烈な打球を放つが、セカンドの立岡がダイビングキャッチで抑え、新井は一塁でアウト。味方の攻守に助けられ、高木はこの回を無失点で切り抜ける。
7回裏、ここまで二塁を踏ませないピッチングを続けてきた黒田に対して、巨人は先頭の長野がセンターへのツーベースで出塁。続く立岡の場面で、原監督は強攻を選択。初回にヒットを打っていた立岡は黒田に対してタイミングが合っていたが、打球はファースト新井の正面へのゴロ。長野もセカンドから動けず、ランナーを進めることができない。
坂本もショートゴロに倒れ2死二塁。続く四番阿部の打席、ワイルドピッチで長野は三塁へ進み、阿部はストレートのフォアボール。2死ながら一、三塁とチャンスを広げるが、亀井がセカンドゴロに倒れ巨人も得点を奪えない。
8回表、ついに試合が動く。2死から丸が、真ん中に入ってきた速球を逆らわずに叩くと、ライナー性の打球はそのままバックスクリーン左へ飛び込んだ。丸の11号ソロホームランで、広島が1点を先制した。
1点リードの9回も、黒田はマウンドへ上がる。先頭の長野がいきなりライト前ヒットで出塁。原監督は迷わず鈴木尚広を代走に送る。立岡は空振り三振に倒れるが、坂本がセンター前ヒットで続き1死一塁、三塁とし、巨人はこの試合最大のチャンスを掴む。ここで四番・阿部が右中間へのヒットで巨人が同点に追いつく。さらに続く亀井が、レフトへ犠牲フライを打ち上げ、巨人が劇的なサヨナラ勝ち。黒田は完封目前で3敗目(6勝)を喫した。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count