松田、柳田がなぜ育つ? ソフトバンクに根付く「裏付けあるフルスイング」

強力打線を支える生え抜き打者、大型補強よりも「育成がすごくうまい」

 昨季日本一のソフトバンクが独走態勢に入り始めた。6月は16勝5敗と本領を発揮。1日の西武戦で敗れたものの、2位で並ぶ日本ハム、西武と4・5ゲーム差。貯金は18まで膨らみ、リーグ連覇へ向けて着実に歩みを進めている。

 圧倒的な強さを支えているのは、何と言っても強力打線だ。本塁打ランキングでは松田宣浩が2位タイ。李大浩、柳田悠岐を含めた3人が5位以内に名を連ね、打点では内川を加えた4人がベスト10入りしている。さらに、打率トップ10には中村晃を含めた5人がランクイン。柳田は秋山(西武)とハイレベルな首位打者争いを繰り広げる。

 ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍してきた野球解説者の野口寿浩氏は「選手層が厚いし、育成がすごくうまいんだと思うんですよ」と印象を語る。

「牽引しているのは柳田と内川でしょうね。内川は3割を切ったら事件でしょう。そういうレベルに来てますよ」

 野口氏は4番・内川の高い打撃技術について舌を巻く。5番・李大浩とともに“補強組”は今年も重要な役割を担っており、ソフトバンクの強さを象徴する存在だ。

 ただ、「育成がすごくうまい」と表現するように、野口氏は“自前”の選手の成長を強さのポイントに掲げる。豊富な資金を使った大型補強の印象が強いソフトバンクだが、強力打線を支えるのは豪快なスイングを武器とする生え抜きの選手たちだ。

「阪神でプレーしていた時、2007年に開幕から1か月、2軍にいたことがあったんですけど、最後に(ソフトバンク2軍球場の)雁の巣に行って、そこから1軍に飛んだんです。3連戦の試合が終わったあと、ソフトバンクのロングティーを見たんですけど、とにかくすごかったです。ちょうど松田とか江川がいて、ゴルフの打ちっぱなし状態で、スコンスコン飛んでいく。長くて重たいバットを使って、とにかく強く振れる形を作っていたんです」

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