8カードぶり勝ち越しの巨人に見えた浮上の光

打撃不振に苦しむ巨人、巻き返しに必要なピースは

 オールスターゲームまで残り10試合を切った。全チームが借金を背負う異常事態になるなどしたセ・リーグ。どこのチームも貯金を1つでも多く背負って後半戦に臨みたい。交流戦のソフトバンク戦から7カード続けて勝ち越せず、貯金をすり減らした巨人は、ようやくナゴヤドーム・中日2連戦で1勝1分と勝ち越した。

 残塁も多く、得点は2試合で「5」。4日の試合は延長戦に入ってからはほとんど打てず、投手陣の好投で負けはしなかったが課題が残った。打撃低迷について問われた原監督も「なかなかヒットが出ない状況。打撃コーチを含めて、切磋琢磨しているところではあるんだけれどね」ともどかしい胸中を明かしたが、一方で少しだけ期待感も出てきている。

 調子が良いと言える打者は、クリーンアップを打つ亀井善行くらい。中日2連戦では阿部慎之助の4番起用により5番に入り、5日の試合では中日先発の山井から2本塁打。見事なアーチを描いた。

 しかし、亀井一人に背負わすわけにはいかない。阿部にも守備や満身創痍の体と、これ以上負担はかけられない。これから浮上のカギとなりそうなのが、チャンスをつかんでいる立岡宗一郎である。

 2012年のシーズン中にソフトバンクから交換トレードで巨人に移籍。ケガが多く、1軍に長く定着できなかった。俊足巧打で内野、外野を守ることができる。守備は決して上手な方ではないが、バッティングと肩は高校時代(熊本・鎮西)から定評があった。

 5月24日の中日戦から1軍出場。今季初スタメンの中日戦で4打数2安打をマークすると、規定打席には到達していないが、打率3割を維持。内野安打も多く、俊足を生かしている。25歳は「起用されている監督の気持ちに応えたい。今日ダメならチャンスはないという思いで毎日やっています」と無我夢中でプレーをしている。

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