首位を射程に捉えた広島、あるか大逆転V、投打でカギ握る2選手の存在

異常事態の混セで上位に這い上がった広島、チーム投打成績見れば借金生活は摩訶不思議…

 7月に入り、シーズンも折り返しを迎えた時点で全球団が貯金ゼロ。かつてない異常事態となったセ・リーグで、にわかに浮上の可能性を感じさせるチームがある。黒田博樹の復帰で開幕前には優勝候補と目されながら、開幕以来、Bクラスが指定席となっている広島だ。

 セが惨敗を喫した交流戦を5割で乗り切り、リーグ戦再開後は5カード中4カードで勝ち越し。最大8あった借金は、7月5日の時点で1まで減り、オールスター前の5割復帰も現実味を帯びてきた。

 そもそもデータを見ると、広島が現在の順位にいるのも異常事態と言える。チーム成績では得点(301点・1位)、失点の少なさ(253点・2位)、打率(.263・1位)、本塁打数(59本・1位)、防御率(3.11・2位)とすべてがリーグ2位以内。得失点差はプラス40を超え、これで借金生活は摩訶不思議、と言うしかない。

 前半戦低迷の要因は、得点力不足の打線とリリーフ陣の不調にあった。4月は先発投手が好投するも、打線の援護がない試合が続き、0対1での敗戦が4度もあった。新井貴浩が4番に定着し、エルドレッドが復帰して得点力が上がった5月は月間勝ち越しを記録したが、リリーフ陣の月間防御率は4.78で、終盤の逆転負けが目立った。

 シーズンの折り返しとなる72試合を消化した時点で34勝37敗1分、借金3の5位。そして5日のヤクルト戦に勝利し、借金1ながら3位に浮上。例年ならば、3位以内に入ってクライマックスシリーズ進出に照準を切り替えてもおかしくないが、“異常事態”の今季は優勝もまだ手に届く位置にある。

 勝負の後半戦へ、浮上のカギを握るのは誰か。

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