驚異の打撃、“四球増&三振減”に見るソフトバンク柳田悠岐の進化

出塁率、長打率、得点圏打率でもリーグトップ

 四球増の要因として今季の柳田は昨季と比べ、ボール球に手を出すシーンが間違いなく減っている。ボール球を見極め、打てる球だけを打つという打撃の基本が徹底されている。

 それを可能にしているのは、並外れたスイングスピードとスイングの軌道。柳田はフルスイングが売りではあるが、トップからミートポイントまでは最短距離でバットが出てくる。そこからのフォロースルーが大きいのであって、決して大振りしているわけではない。そこに圧倒的な飛距離につながる、強靱な体躯から生み出されるスイングスピードがある。ギリギリまでボールを呼び込むことができ、ボールを見極める時間を長く取れる。

 早いカウントでの積極的な打撃も目立つ。配球や狙い球などを整理し、初球から打ちにいく準備をキッチリ整えているのだろう。カウントを整えにきた甘い球を逃さずに捉えている。そして技術的な成長で確実性、精度が上がったことで、ミスショットする確率が下がっている。昨季131個だった三振は、ここまで57三振。シーズン103三振ペースという三振減も、こういった成果の証しだろう。

 並外れたパワーがあることで、打球が速く、ヒットゾーンを広げているというのもヒット量産の要素の1つにある。出塁率.469は秋山に3分もの差をつけてリーグトップ。長打率.613、さらには得点圏打率.408もパ・リーグ1位である。名実ともに球界を代表する打者になりつつある柳田悠岐。そのプレーから目が離せない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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