絶妙な関係性見せる黒田&新井 広島復帰の“同志”は悲願の夢に届くか

絶妙な関係性見せる“同志”、いまだ果たしていない夢へ今季届くか

 マツダスタジアムには、記録などを達成した選手を記念するプレートを設置する場所があるが、すでに復帰した2人のものもある。黒田は「カープ復帰初勝利」のプレートで、新井は史上47人目となる「2000試合出場」を記念したものだ。

 7月に報道陣を集めてプレートの設置式を行った新井に対して、黒田は1人で設置を行った。新井の設置式について、報道陣から質問を受けた黒田は「黒田さんは目立つのが嫌で1人でやったみたいです、と新井に伝えてよ」と冗談混じりに話し、報道陣を笑わせた。

 オールスターでも、試合前の練習中に阪神の藤浪晋太郎と言葉を交わした黒田は「目いっぱい腕を振って投げればいい。特に新井にはしっかり投げろ」と話した。さらに第2戦で、走者として二塁から本塁へ激走を見せた新井に対して、登板を終えてテレビ中継の放送席にいた黒田は「シーズン中より速かったじゃないですか」と、ジョークを飛ばした。

 低迷期のカープを支え、別のユニフォームで戦い、そしてまた同じチームとなった“同志”には、まだ果たしていない夢がある。愛着のあるチームを離れてまで求めた“勝つこと”、すなわちリーグ優勝は、2人とも経験できなかった。黒田はドジャースで地区優勝が一度あるのみで、新井も阪神ではクライマックスシリーズ出場があるだけ。阪神が日本シリーズに出場した昨季も、新井は故障もあり不出場に終わっている。

 個人成績では、黒田は日米通算200勝まであと12勝、新井は2000安打まで79本と、ともに名球会入りが視野に入っている。いずれも今シーズンの達成は微妙な数字だが、その数字に少しでも近づく活躍を、後半戦の2人が見せてくれれば……。2人のプロ入り以来の悲願、そして広島の24年ぶりの歓喜が近づいてくるのは間違いない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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