注目浴びるスタジアム建設費 MLB球場はどの程度? ヤンキースは完成後批判も…

開閉式屋根なしでも大きな不満出ず

 一度球場が完成した後、開閉式屋根を後付けした場合、3~5億ドルが掛かるそうだ。オープンから今年で5年目を迎えるが、大きな不満の声が聞こえてこないところを見ると、1億ドルのさらなる出費を控えて正解だったのかもしれない。

 1996年に開催されたアトランタ五輪のメイン会場センテニアル・オリンピック・スタジアムを改修して翌年にオープンしたブレーブス本拠地のターナーフィールドは、来季2016年を最後にその歴史に幕を下ろすことになった。2017年からオープンする新球場サントラストパークは現在建設中だが、費用総額は4億6200万ドルになると予測されている。

 いずれにしても、球場・スタジアム新設は決して安い買い物ではない上に、多額の公的資金=税金が投入される。斬新なデザインも魅力はあるが、予算内に収まる機能的なものが建設できないか、再考することはいいことかもしれない。

<別表>
2000年以降に開場した球場を最高額から順に
1.ヤンキースタジアム(2009年):16億ドル
2.シティフィールド(2009年):6億3200万ドル
3.ナショナルズパーク(2008年):6億1100万ドル
4.ターゲットフィールド(2010年):5億4500万ドル
5.マーリンズパーク(2012年):5億1500万ドル
6.シチズンズバンクパーク(2004年):4億5800万ドル
7.ペトコパーク(2004年):4億4900万ドル
8.ブッシュスタジアム(2006年):4億1100万ドル
9.ミラーパーク(2001年):3億8200万ドル
10.グレートアメリカンボールパーク(2003年):3億2000万ドル
11.コメリカパーク(2000年):3億ドル
12.AT&Tパーク(2000年):2億5500万ドル
13.ミニッツメードパーク(2000年):2億4800万ドル
14.PNCパーク(2001年):2億1600万ドル

※ballparksofbaseball.com参照

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

佐藤直子 プロフィール

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

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