【U-18野球W杯】U18日本、世界一への“障壁” W杯決勝で米国に封じられた武器とは

植えつけられた恐怖心

 指揮官の采配は的中し、5回に先頭打者のオコエがヒットで出るも、左腕の牽制に幻惑され飛び出すと、タッチアウト。牽制への恐怖心を植えつけられてしまった日本は、試合を通じて前回の対戦を上回る7安打を放ちながらも、プラットら米投手陣の前に盗塁ゼロに終わり、武器である足を完全に封じられた。

 オコエは1次ラウンドのアメリカ戦でも二塁走者で牽制に引っかかり、「日本では(ホームに)投げる体勢だった」と相手投手の牽制モーションへの戸惑いを見せていた。

 国際大会では、日本でボークをとられる投球動作が咎められないケースも多い。日本のプロ野球でも、外国人投手にボークが多いのは国ごとの判定の差異に起因する。

 アメリカは日本の長所を封じ込め、1点差勝負を守り切った。日本にとって今後も国際試合での投球モーションの見極めは一つの障壁となりそうだ。

【了】

富樫重太●文 text by Shigeta Togashi

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