マ軍残留確率は「60%以上」 地元記者が語る、来季もイチローが必要な理由

「イチローはこのチームを好んでいるし、選手もイチローのことを愛している」

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マーリンズの番記者を12年務めるジョー・フリサロ氏

 故障者続出やトレードの影響で一時、開幕時のロースターが全滅した先発陣の強化は最優先事項となる。そして、昨年ジャイアンツでワールドシリーズ制覇に貢献したモースを加えながら、不振によるトレードという結末に終わっただけに、スラッガーの補強も重要だという。

「ジャンカルロ・スタントン以外のパワーヒッターが必要だ。今、ジャスティン・ボーアが4番でレギュラーだが、彼は左腕と右腕相手では成績があまりに違う。まだプレーオフ進出には足りない部分が多いが、来季はよりいいチームになると思う。若手の成長次第という部分も影響する」

 今季、左手を骨折するまで27本塁打、67打点と獅子奮迅の活躍でチームを牽引したスタントンに次ぐ、長距離砲の必要性をフリサロ氏は訴える。

 来季でメジャー16年目を迎えるMLB最年長野手のイチローは、今季開幕前に1年契約を結んだ。故障知らずの鉄人はここまでチーム最多の142試合に出場している。ただ、守備などで高いパフォーマンスを発揮しているものの、バットは打率2割3分7厘と厳しい数字となっている。

「イチローについてはアップダウンが激しいシーズンとなっている。その一方で、誰もが想像しなかったほど出場機会を手にしている。シーズン開幕前には、バットスピードの衰えなど心配の声もあったけれど、8月は本当に素晴らしい活躍を見せてくれた。

 ヒットを量産して、毎試合先発し、チームにインスピレーションを与えていた。9月は苦しみながらも、イチローはそれでも我々に多くの素晴らしいものを見せてくれている。彼は試合の流れを読むこともできる」

 不振時にもマーリンズ・パークでイチローコールが巻き起こるマイアミにおいて、背番号51は地元メディアからも高い人気を誇る。マイルストーンに近づく歩みや、高い守備力も評価されている。

 ダン・ジェニングス監督やマイケル・ヒル強化責任者は来季契約延長に前向きな発言をしているが、来季のマーリンズでイチローに役割は存在するのだろうか。フリサロ記者は「イエス」と語る。

「イチローがマーリンズ残留を希望して、球団も契約を延長するのなら、来季もお互いに利益はたくさんあると思う。イチローが今年、この球団にもたらしてくれたようにね。イチローは若手の最高の手本であり、先生なんだ。

 イチローはこのチームの若手と過ごす日々を気に入っていると思う。イチローはこのチームを好んでいるし、選手もイチローのことを愛している。重要なことは来季のチームにイチロー自身がいかにフィットするのか、と考えるかだね。マーリンズは伝統的にベンチの選手に高い年俸を払うことはしない。イチローとコール・ギレスピーが来季の外野でいいバックアップになると思う。

 正直、けが人が多く出ていた。4番目の外野手でも単純に『イチローは控え』という話にもならない。実際にイチローはチームの誰よりも試合に出ている。多くの若手が怪我をしている。スタントンはシーズンの半分近く離脱してしまった」

 マーリンズには、開幕前に「メジャー最強外野トリオ」の呼び声もあったスタントン右翼手、クリスチャン・イエリッチ左翼手、マルセル・オズナ中堅手というレギュラーが存在する。トレードで移籍の可能性もあるが、現状ではイチローとギレスピーがマーリンズにとって理想的なバックアップ要員となるという。

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