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ブラジルで野球人気は広がるか…日系少年野球チームで育ったMLB選手の物語

現在、MLBでプレーするブラジル人は3人「ブラジルで野球がもっと盛んになる可能性は十分ある」

「デッドボールを当てた時、Sorryって言いながら帽子を取って打者に謝ったんだ。そうしたら、当てられた打者も含めて、その場にいた全員が、“なんだ? コイツ?”って気味悪そうに見るんだよ(笑)。

 後でベンチに戻った時に、アメリカではボールを当てても謝らないもの、むしろ謝っちゃいけないって教わったんだ。なるほど、じゃアメリカ流に慣れようって、それからは帽子を取らないように気を付けたんだけど、たまに忘れて帽子を取っちゃうんだ。子供の頃から、ボールを当てたら謝りなさいって言われてきたから、なかなか抜けなくて(笑)」

 ホワイトソックスからマーリンズにトレード移籍した今季は、シーズンの大半を過ごした傘下3Aでは先発投手、9月のロースター枠拡大で加わったメジャーでは救援投手として経験を積んでいる。残りわずかのシーズンが終われば、初夏を迎えた緑豊かなホームタウンに帰省。12月になれば、2011年からMLBが毎年ブラジルで開催するMLBエリート・キャンプで、同郷でロイヤルズの外野手パウロ・オーランドと子供たちに野球を教える予定だ。

「地元アチバイア市の野球チームは、僕たち兄弟が当時初めてのガイジンだったけど、今では日系とガイジンの割合が半分ずつになっているんだ。もちろん、ブラジルではサッカーが一番人気のあるスポーツだけど、野球がもっと盛んになる可能性は十分あると思うんだ。基本的に、ブラジル人はスポーツが大好きだから。野球の楽しさを少しでも多くの人に知ってもらうために、メジャーで活躍することはもちろん、自分にできることは何でもやりたいと思っているよ」

 現在、メジャーでプレーするブラジル人選手は、リエンゾ、オーランド、ヤン・ゴメス(インディアンス)の3人だ。近い将来、彼らに憧れる野球少年たちが海を渡り、ブラジル人メジャーリーガーの存在が珍しくなくなる日がやってくるのかもしれない。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

佐藤直子 プロフィール

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

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