イチローが語る、永遠の“野球小僧”の原点 「狼の子供みたいなもの」

「グラブの匂いが大好きで、その匂いを嗅ぐと野球がやりたくなる」

 イチローの野球に対する愛情は、大事に扱う商売道具の香りとともにこみ上げてくるという。

「グラウンドに立った時というよりも、新しいグラブが来たり、新しいバットが来たりする時にこうやって匂いを嗅ぐ。グラブの匂いが大好きで、その匂いを嗅ぐと野球がやりたくなる。子供の頃から今でも変わらないことですね」

 イチローがバットやグラブを丁寧に扱うことはフロリダでも有名だ。四球を選ぶと、バットを丁寧にフィールドに置く。そして、グラウンドを離れれば除湿剤入りのバットケースで保存する。同僚がグラブの乾燥防止に唾をつける中、イチローはオリーブオイルを丹念に塗り込む。

 これらについては今年、地元メディアで何度も特集された。野球用具を「まるでトロフィーのように扱う」とも伝えられたイチローの“作法”だ。

 新品の商売道具が漂わせる香りとともに、イチローは少年時代の記憶を思い出し、そして、野球に対する愛情を一層深めるという。メジャー通算3000本安打の金字塔までは「65本」。白髪の増えた永遠の野球少年は来季、マーリンズ・パークに戻ってくる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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