名作映画の実現ならずも、躍進のカブス 名将マドンが叩き込んだ戦術とは

4連敗でリーグ優勝決定シリーズ敗退も、称賛されたカブスの戦い

 シーズン終盤に、昨季のロイヤルズを思わせる快進撃を続けたカブスだが、ナ・リーグ優勝決定シリーズでは、メッツに4連敗という結果に終わった。敗退が決まったのは、奇しくも名作映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」で“未来”として描かれた2015年10月21日。作品内では、この日カブスがついにワールドシリーズ(WS)優勝を果たすと描かれていたが、現実はそう甘くなかった。

 4連敗と終わり方のよくなかったカブスだが、ファンはもちろん、シカゴの地元メディア、ひいては全米メディアの評価は決してネガティブなものではなかった。むしろ、球団が現実的に目指していた2016年のプレーオフ進出より1年早く到達したことについて称賛の声が多い。

 昨年11月の就任会見で、マドン監督は「将来有望なチームだと聞いているが、2年後をターゲットにするのは性に合わない。来年もワールドシリーズ優勝を狙っていく」と不敵な笑みを浮かべながら公言したが、その言葉を見事実現させた。

 カブス監督して迎えた1年目、マドン監督はスプリングトレーニングから、同じフレーズを何度も繰り返し、選手に伝えてきた。

「Don’t let pressure exceed pleasure(プレーできる楽しさをプレッシャーに飲み込まれるな)」

「Keep it simple, take it slow(シンプルに、焦らずに)」

「Enjoy the moment, focus on this presence(この瞬間を楽しもう。今現在に目を向けよう)」

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