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未然に防ぐために「子供を守るシステムの構築が急務」

 野球のみならず、スポーツの世界で頻発する遊離軟骨という健康問題を回避する方策はないものだろうか。新盛院長はこんな分析をしている。

「関節遊離体が起こる原因は様々あります。小・中学生時代に過度な練習をすることのリスクについては、長らく問題視されていますが、残念ながら現在も、抜本的な改善策が実施されてはいません。一部の地域では、小・中学生に対して定期検診を行い、ケガを未然に防ぐための取り組みが行われています。

 他にも、痛みや症状が軽度のうちに治療を開始し、早期回復を図る方策が成果をあげています。子供の場合、痛みを感じていなくてもケガが進行しているケースがあります。当院に来院される野球少年や運動に励んでいる子供たちにも骨や軟骨の障害を抱えているケースは少なくありません。選手、指導者、保護者、医療従事者が一体となって、子供を守るシステムの構築が急務だと、切に思います」

 幼少期のオーバートレーニングはその後の競技人生にも悪影響を及ぼすという。指導者、保護者、治療者側など周囲が小さなアスリートの負荷をコントロールすることが、抜本的な解決策になると新盛院長は提言した。

◇新盛淳司
(しんもり・じゅんじ)【新浦安しんもり整骨院入船院】入船しんもり鍼灸整骨院、【新浦安しんもり整骨院今川院】今川しんもり整骨院、クローバー鍼灸整骨院代表。柔道整復師、鍼灸師の資格を持ち、関節ニュートラル整体普及協会会員。デフ(ろう者)フットサル女子日本代表トレーナー。サッカー元日本代表MF中村俊輔をセルティック時代から支える。ブリオベッカ浦安チーフトレーナーも務める。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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