“練習嫌い?”“技術の塊”…西口を評する証言の数々、注目される再出発

第2の野球人生では海外視察も、「しっかりと勉強をしたい」

 晩年は周りから見ても、練習するベテランに変化した。父が西口と同学年というルーキーの高橋光成は「ダッシュで競っても負けるんです。西口さんはすごい」と舌を巻いた。才能だけで182勝を蓄積してきたわけではない。

 西口は今季限りでユニホームを脱ぎ、来季から新たな道を歩む。肩書は「西武ライオンズ編成部付」だが、指導者の顔も持つ。台湾、中国、オーストラリア、日本の独立リーグを中心に視察し、要望があれば指導も行う。最初は通訳も同行させるが、慣れれば単身での仕事になるという。決して現段階でのレベルが高くない選手を教えることで、指導論のベースを築く。

「いろいろな野球を間近に見られ、経験できることは自分の財産にもなるので、しっかりと勉強をしたいと思います」

 練習の好き嫌いがはっきりしているからこそ、メニューの必要性を熟知している。そんな男がワールドワイドに経験を積み、第2の野球人生をスタートさせる。 

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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