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“打率10割”で現役生活に幕 巨人・隠善、かなわなかった高橋由の“後釜”

少しでも高橋由に近づこうと…

 しかし、なかなかチャンスがやってこなかった。2軍で打率4割近い成績を残しても、外野の枠の問題や強力なメンバーの存在で、隠善の出場機会は少なかった。やっと昇格しても代打からのスタート。2、3打席凡退してしまえば、チャンスはしばらくやってこない。ヒットを放っても長くチャンスはもらえなかった。ケガで離脱してしまうことも多かった。

 レギュラークラスの能力を生かすことができない中で、隠善は高橋由伸に頼み、オフの自主トレに同行させてもらった。2008年のオフだった。最初は左打者としての極意を学びにいった。だが、高橋も晩年、代打での出場が増え始め、少ない打席でも高い成績を残すようになっていた。隠善も一打席で仕留める技術、心構えを学びにいった。

「僕のような立場の選手は最初の代打の一打席からチャンス。そこで結果を出せれば、スタメンを勝ち取れる。でも、その一打席の初球で自分の狙い球を打ち損じてファウルしたり、思いもよらない球が来たら、打席の中で劣勢になってしまう」

 代打から現状を打開しなくてはチャンスはないのだが、その一打席に苦しんでいた。

「どうしたら由伸さんのようにどっしりと構えて、投手を逆に追い込めるのか。狙い球や相手投手の心理を読む術があるのだと思います」と一振りにかける男のメンタルを学び、習得していった。少しでも高橋由に近づこうと。

 今年8月末。こんがりと“2軍焼け”した隠善が東京ドームへやってきた。待望の1軍昇格。「もうやるしかないですから」と気合に満ちた男は一振りで結果を残していった。高橋由伸に負けないほどの勝負強さを見せた。

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