優勝候補だった広島はなぜBクラスに沈んだのか 今季最大の敗因は?

緒方体制1年目、「采配というか、人選の部分、用兵、選手の使い方はどうだったのか」

 今季、チーム防御率はリーグ2位の2.92だったが、チーム打率はワースト2位の2割4分6厘に終わった。先発陣が踏ん張っても勝ちがつかないという試合も多かった。野口氏は「大瀬良も先発で防御率が良くて、いいピッチングをしてるけど、勝ちがつかないから中継ぎになった。もちろん、ブルペンが共倒れしたこともありますけど」と指摘。打線が機能しなかったことで、チームの形が少しずつ崩れていった。

「前田、ジョンソン、黒田、福井の先発4本柱がいて、そのうちの2人がタイトル(前田が最多勝、ジョンソンが最優秀防御率)を獲っている。それでCSにも出られなかったのは、やっぱり得点、打線(が原因)ですよ。後ろのピッチャーで落ちしているのもあるけど、得点していればそれもなかったわけですから」

 失点数はリーグで2番目に少ない474。先発投手陣の働きは光るものがあったが、一方で得点数を見てみても上から3番目の506と決して悪い数字ではない。勝ちを拾えない要因の1つに、戦い方のまずさはなかったのか。野口氏は、緒方新監督の采配についてこう分析する。

「前監督の野村さんが育てた選手を緒方監督が仕上げる形だったんでしょうけど『笛吹けど(選手が)踊らず』という感じでしたね。そういう意味では、緒方監督も気の毒だったかもしれない。ただ、采配というか、人選の部分、用兵、選手の使い方はどうだったのかなと思います。

 特に後ろのピッチャー。一番最初にヒースを選んだのが間違いだったのかなと。ヒースは先発の1人にしたほうがよかった。先発の中から誰を後ろに回すかと言ったら、福井だったのではないかと思うんですけどね。大瀬良はハマりましたけど、持ち球を見ると、福井は速い真っ直ぐと落ちる球があるので」

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