試行錯誤の連続だった巨人・高木勇人 1年目で見せた躍進とその後の苦悩

シーズン終了時に残った悔しさ、来季に向けて取り組む課題とは

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巨人・高木勇人の1年目 後半成績

 勢いに乗った高木は開幕から5連勝。2勝目は阪神を相手に本拠地で9回2安打の完封勝利を挙げた。巨人の新人が初登板から5連勝以上したのは、1966年に13連勝した堀内恒夫氏以来の快挙だった。お立ち台に上がる回数も多く「僕は僕です」と言ったのもこのころだった。

 しかし、ここからプロの洗礼を浴びる。自分自身は「何も変えてはいません」といつも通りの調子であっても相手打者が対応してきた。鋭く曲がるカットボールも、スライダーとして他球団は見極め始めた。同じ球を続けて本塁打をされたり、1か月以上勝てない時期が続いた。

 自分の調子がよくても相手に対応される。落ち込んでいても次の登板はやってくる。プロ1年目は試行錯誤の連続だった。最初は何を投げても抑えられたが、苦しい時は何を投げても打たれてしまった。シーズン終了時には悔しさしか残らなかった。

 シーズン終了後は、少しでも目先を変えるためにチェンジアップの練習をしたり、プレートの使い方、歩幅、フォークの精度、わざとはっきりとボールにする練習、体重管理など、シーズン中の反省を事細かに分析し、1日1日、自分に課題を与えた。すべてにおいてのレベルアップ。何が自分に足りないのか。しっかりと考えていた。来季へ向け地道に努力を続ける26歳。また進化した高木が見られることだろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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