正捕手不在、遊撃手、1・2番… DeNAが最下位に沈んだ理由【野手編】

中畑前監督が残した功績は? 「他球団が苦労しがちなポジションを当てはめられた」

 課題は山のように残るDeNA。それでも、野口氏は4年間指揮を取った中畑前監督の功績についても、こう分析する。

「梶谷、筒香を外野にコンバートして、打順も固定して、自分の役割を明確にさせましたよね。山崎康も、自分の働き口をちゃんと見つけてあげて『そこでちゃんと輝きなさいよ』と言って輝かせた。それは大きな功績だと思いますよ」

 もともと梶谷は遊撃手、筒香は三塁手として入団。しかし、両選手ともに外野にコンバートされると、スタメンに定着。梶谷は俊足を活かした広い守備範囲を生かし、チームのディフェンス面に貢献した。さらに、今季、開幕からクローザーに抜擢されたのはドラフト1位ルーキーの山崎康だった。指揮官の指名に応えた右腕は新人最多記録を塗り替える37セーブをマーク。投手陣の希望の光となった。

「クローザーと3番、4番。他球団が苦労しがちなポジションをしっかりと当てはめることができた。あとは本当に先発陣。そういうところを整理していけばというところなので、ラミレス監督は周りと比べたら少しはやりやすいんじゃないでしょうか。ドラフトで取った2人、駒大の今永(ドラフト1位)と、仙台大の熊原(ドラフト2位)がどうやら良さそうなので、どれだけ(チームに)はまりこんできてくれるかどうか」

 センターラインの強化、先発陣の整備、必勝パターンの継投の確立、1・2番の強化、正捕手の台頭など、課題は多く残る。ラミレス新監督は来季以降、前監督の残した下地を元に再建を進めることができるか。今季の転落を無駄にしないチーム作りに期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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