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代打の「職人」日ハム矢野、周囲も目を見張る「準備」と勝負強さの「原点」

なぜ道具を大事にするのか、「お前に成功を与えると思うか」の言葉

 その後はケガもあり、完治しても厚い外野の層が立ちはだかった。すぐに1軍昇格とはならず、苦しい時期となった。そして日本ハムに移籍した直後の6月12日の交流戦・DeNA戦では6打数3安打。3二塁打で移籍後初試合で猛打賞をマークした。ヒーローインタビューを受ける大活躍だった。「ファイターズ・最高!」のフレーズは、新天地のファンへお名刺代わりの挨拶となった。

 一方、矢野が去った巨人では、右の代打で決め手に欠いた。井端弘和がベンチにいる場面では起用されたが、井端は先発する試合も多く、勝負所で左投手の時に出てくるバッターを確立できなかった。矢野がいれば……、そう思うファンも少なくはなかっただろう。

 毎日の準備が矢野の支えになっていた。試合前に道具を並べるなど、矢野が道具を大事にしたのは、入団当初、自分への苛立ちを道具に当たったことがあったからだった。当時の1軍コーチに「そんな風に扱われた道具が、お前に成功を与えると思うか」などと叱責されたことがきっかけとなったという。

 後輩の坂本が「矢野さんのように細かく準備をする人から勉強になる部分も多いです」と話したこともあった。矢野の準備とプライドはこれからも日本ハムの若い選手へ大きな影響を与えていくに違いない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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