MLBで際立つ日本人投手の“コスパ” FA選手の総年俸と実際の活躍度は?

上原は「レッドソックス1年目にモンスター級の活躍」

 2013年シーズンは総年俸でトップ10に入った日本人選手はいないが、活躍度では再びトップ10に2人も名前を連ねている。マリナーズと再契約した岩隈久志投手は総年俸で26位だったが、活躍度では堂々の3位。さらに、レンジャーズからFAとなり、レッドソックスと契約した上原が9位にランクイン。総年俸は55位と“格安”だった。

 寸評では「岩隈とマーティン(現ブルージェイズ捕手)、上原は前年に新たな契約を結んだが、実際の価値よりもかなり低い条件で再登場している。上原はビクトリーノ、ナポリとともに、(レッドソックス入団)1年目にモンスター級の活躍を見せる。2013年にボストンをワールドシリーズ優勝に導いたことを見ると、このトリオはトップ10に入るに十分にふさわしい」と評価している。

 2014年シーズンは楽天からポスティングでヤンキースに移籍した田中将大投手が主役の1人となった。田中の7年1億5500万ドルという大型契約は、ヤンキースからFAでマリナーズに移籍したロビンソン・カノ内野手の10年2億4000万ドルに次ぐ2位だった。

 ただ、田中は7月に右肘靭帯部分断裂の重傷を負うまで、スプリットで三振の山を築く大活躍でニューヨークの人気者となった。活躍度の順位も2位。1位はカノとなっている。

 2015年シーズン前にFAで契約を結んだ日本人選手は、総年俸、活躍度ともにトップ10入りはしていない。ジャイアンツに加入した青木宣親外野手が前半戦の活躍を続けていれば、圧倒的なコストパフォーマンスで上位に名を連ねていた可能性が高かっただけに、2度の死球による離脱が悔やまれるところだ。

 今オフは広島の前田健太投手がポスティングでメジャー移籍する可能性が浮上しており、マリナーズからFAとなった岩隈、ジャイアンツからFAとなった青木の動向にも注目が集まる。日本人選手がどんな条件を手にし、実際にどんな活躍を見せてくれるのか、楽しみにしたい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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