怪物・清宮が高校1年で刻んだ足跡 2015年全打席から見える凄さと課題

整列ギリギリまで素振り繰り返す清宮、来年はどんな成長曲線を描くのか

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U-18W杯ではレベルの高い投手に苦戦した早実・清宮幸太郎【写真:富樫重太】

 もちろん、第1打席から結果を残すことは誰でも難しい。ただ、早実のチーム事情を考えると、これが重大な問題となる。今夏はプロの注目を浴びた4番・加藤雅樹とクリーンアップを組んだ。さらに甲子園で2打席連発を放った6番・富田直希を筆頭に1~9番まで切れ目のない強力打線が清宮をカバーした。

 しかし、新チームでは清宮と5番を打っていた金子銀佑しか残らず、打線がスケールダウンした印象が否めない。投手力に関しても、1年生の服部雅生がエースとして独り立ちできるかは不透明な状況だ。となると、先制点を奪って優位に試合を進めることが、普通のチーム以上に重要となる。

 初回にクリーンアップに座る清宮に好機で回し、走者を返すことが理想的な展開だろう。清宮は試合前のシートノックの後、整列のギリギリまでベンチ前で素振りを繰り返すことをルーティーンにしているが、今後はさらに第1打席に集中を高める工夫が必要になってくる。

 その先には、夏の甲子園大会で仙台育英・佐藤世那、U-18W杯で米国の大型投手に苦戦したように一線級の投手を打ち崩す成長も求められるだろう。

 いずれにしても、高校球界に久々に現れたスターの原石であることに違いない。動員数が公式発表されたこの夏だけで32万9847人を沸かせた怪物1年生。練習試合解禁となる来年3月まで鍛錬の日々を過ごす。2016年、どんな成長曲線を描くのか、日本中のファンが楽しみにしている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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