全球団でスペイン語通訳常駐へ―MLB通訳事情、あの川崎も「つけた方がいい」

あの川崎も「通訳をつけてもらえるなら絶対につけたほうがいい」

 アジア出身の選手でも、メジャー契約ではなくマイナー契約の場合、通訳がつかないことがほとんどだ。ご存じのとおり、ブルージェイズで大人気の川崎宗則は、通訳なしでたくましくサバイバルする姿が人種を問わず全ての人に高く評価されているが、「もし通訳をつけてもらえるなら絶対につけてもらった方がいい」と話したことがある。

 一方で、五十嵐亮太や和田毅(ともに現ソフトバンク)、高橋尚成(元DeNA)らのように「大体ミーティングで使う英語は分かるようになった」と、最初の数年だけ専属通訳をつけ、それ以降は必要な時に球団スタッフの手を借りるようになったパターンもある。

 そもそも、なぜ日本や韓国、台湾などのアジア系選手には通訳がつくのか。それは、ほとんどの選手が即戦力として期待され、メジャー移籍を果たすからだ。もちろん、通訳を介さずにコミュニケーションを取れる方がいいが、そこに割く時間はない。即戦力としてできる限りプレーに集中するため、そしてチームにいち早く溶け込むために通訳が必要とされる。ここに今回のスペイン語通訳導入の理由があるようだ。

 これまで中南米出身の選手は、17歳で球団と契約し、ドミニカ共和国やベネズエラにある球団アカデミー、ルーキーリーグから始まるマイナーリーグを経て、メジャーデビューを果たしていた。だが、近年はキューバから亡命した選手の大半は即戦力として大型契約を勝ち取り、マイナーリーグで過ごす時間は1年に満たない。キューバ以外の中南米出身でも身体能力の高さを買われ、20歳を迎える前にデビューする選手も増えてきた。

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