西武・菊池雄星、7年目の本格覚醒へ 「今年は今までで一番良い」

課題は「しっかりクリア出来ている」、キーパーソン指名に「今年こそ応えたい」

 これまでは、人一倍の向上心から、ベストな状態であっても、更なる良化を求めて変えてしまった結果、逆に崩れてしまうという失敗が少なくなかった。しかし、14年秋季キャンプから土肥コーチとメカニックの部分から様々な議論、対話を繰り返し、ベストなフォームにようやく辿り着きつつある。今オフ、同コーチは「大きく変えずに、同じようにやることを課題にしてやってきてくれ」の一点を、左腕に課した。

 当の菊池は、その課題を「しっかりクリアできています」と言い、充実感に満ちた笑顔を見せる。そして、「投手目線の“良い球”と、打者の嫌がる球は違うので、打者に対して投げてみないと実際はわからないですが」と、前置きしつつも、はっきりと口にした。

「今年は今までで一番良いですね」

 監督からキーパーソンだとされていることを知ると、表情は一気に引き締まる。

「毎年毎年言われているので、今年こそ応えたい。僕ももう7年目。後輩もどんどん増えているので、チャンスは少ないものだと思ってやらないと」

 未完の大器がついに本格覚醒を果たすか。手応えと自信、不安と危機感。さまざまな思いを胸に、2016シーズンをスタートさせた。

【了】

上岡真里江●文 text by Marie Kamioka

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