一気に球界最年長のDeNA三浦、年齢意識せず「今まで通り」

「しんどい」との声も聞かれるが…

 キャンプ中は早朝の散歩も欠かさない。まだあたりが真っ暗な6時過ぎ、ホテルを出発して30分ほど1人黙々と歩く。帯同する取材者も小走りで着いていくのがやっとのペース。これも、体力を維持するために毎年続けてきていることだ。こういった積み重ねが球界最年長投手になれる所以かもしれない。

 そんな最年長の右腕からは「しんどい」との声も聞かれる。「それは事実だからね」。そう苦笑しながらも、「最年長というのは特に意識してないよ」と精力的に汗をかく姿は印象的だ。

 コーチという肩書が現役を続ける上で重荷になることはないのか。以前はそんな問いに「ないないない。全部のコーチミーティングに入っているわけじゃなく、時には選手業優先で動いているし。現役で選手をしながらコーチ業の勉強ができていることって、なかなかない機会だと思うし。引退してからはできるけど、現役だからこそできるってのはありがたいことかな」と話していた番長。「俺、野球好きだな」とも漏らしていたベテランは、今年もキャンプ始動から変わらぬ情熱を傾けている。

 昨季はチーム2位の6勝。ここまで横浜一筋で通算172勝を積み上げてきた右腕は「自分のペースでやることはやってるしね」とベテランらしく着実に仕上げている様子。今季はどこまで勝ち星を伸ばすのか。その瞳には若手にも劣らない闘志が宿っている。

【了】

白井京子●文 text by Kyoko Shirai

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