新しい目標が成長を後押しする 侍選出の巨人・戸根の進化

150キロ、防御率、勝利の方程式…今季掲げた目標

 1シーズンを戦った巨人のブルペンでは自分よりすごい投手を目の当たりにしてきた。中でも160キロ右腕、スコット・マシソンについて「どうしたらあんなに速い球が投げられるのだろう」と感じ、オフの自主トレーニングでは同投手の住むアメリカ・フロリダ州を訪問。筋力トレーニングと意識を学んだ。

 元々は150キロ左腕という触れ込みでプロ入りしたが、球速は常時150キロを計測することはなかった。大学時代とは違い、スピードだけを追い求めていてはプロではやっていけない。しかし、1年を経験し、今年は常時150キロへの挑戦と、2点台後半だった防御率を1点台後半から2点台前半にすること、さらに勝利の方程式といわれる山口、マシソン、澤村の存在に割って入っていくことを目標に定めている。

 戸根はどんな時も目標を定め、公言することで自身を高めてきた。特に自分が良いと思ったことはマウンド同様に積極的。先輩でも外国人選手でも話を聞きにいき、ヒントをもらった。

 人なつっこいキャラクターはチームメートからいじられ、愛されている。広がるコミュニケーションの輪により、人と出会い、成長を続けている。今回、辞退者が続出したことによる追加招集とはいえ、侍戦士の一員となる機会を得た。日本代表での経験がさらに飛躍するきっかけとなるだろう。若き左腕の招集は、巨人にとっても代表チームにとってもプラスになるに違いない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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