2桁の背番号に奮い立つ22歳 DeNA白根「負けるわけにいかない」

遠回りではなかった4年間、「負けるわけにいかない」

「それは全然関係ないです。1軍に夢があるんです。今(の年俸)が低くても、稼ぐ場所にいられることが大事なんです。1軍にいるだけで、奮い立つことができますから」

 ちょうど、今年入団してきた大卒ルーキーは白根と同世代にあたる。なかには高校時代に対戦経験がある選手もいる。例えば、阪神のドラフト1位・高山俊だ。

 3年夏の甲子園2回戦で投手として対戦し、チームは高山を擁する日大三に敗れている。その高山は明大で東京六大学通算安打記録を樹立して一躍、脚光を浴びた。昨秋のドラフトで2球団が競合し、鳴り物入りで入団した。日の当たることが少なかった白根の4年間とは対照的な印象である。

 ただ、本人は決して遠回りだったとは思わない。むしろ、18歳でプロに飛び込んだからこそ得られたものがあると、信じている。

「高卒でプロに入った僕らの方がプロでのキャリアは積んでますから。早くからプロでやってきたことが自信になっているし、そこは負けるわけにいかないです」

 人生初の1軍では高いレベルに苦しんだ。実戦では7試合に出場しながら、思うようにバットでアピールできず。23日から再び2軍で調整することになった。

 それでも「かなりの負けず嫌い」と自認する男。過ごした時間を無駄にすることはない。もう一度、1軍を目指して再出発し、バットを振り続ける。背中にある「60」に誇りを感じながら。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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