巨人菅野、DeNA山口が“本格導入”の「魔球」 「ワンシーム」とは何?
ダルビッシュも? メジャーでワンシームの使い手といえば…
このボールを投じると、打者はどういう結果になるのか。ストレートの軌道のため、バッターはその感覚で始動する。しかし、打ちにいった瞬間、手元で変化し、芯を外される。詰まらされるため、自然と内野ゴロが増えることになる。バッターからすると、真っ直ぐなのか、シンカー気味に急な変化をするのか、対応を一瞬で迫られる。
気になるボールの握り方はどうか。ワン(ONE・1つの)シーム(SEAM・縫い目)の文字通り、1つの縫い目に人差し指と中指をかけるように握る(かけないで添える投手もいる)。普通のストレートに比べて、縫い目にしっかりと指をかけないため、制球がしにくいとされる。
投げられる投手の条件は、その握りでもしっかりとボールを強く放つことができるかどうか。腕の力だけでなく、指先の筋力トレーニングが必要となる。メジャーのトレーニングでは、バケツの中にお米を入れ、その中で「グー・パー」を繰り返して握力・指先強化に努めるなど、投げるには努力と鍛錬が必要だ。
メジャーでワンシームの使い手といえば、アスレチックス、ブレーブス、ジャイアンツで通算222勝したティム・ハドソン(昨季引退)、レッドソックス、カブスで左腕エースとして活躍するジョン・レスター投手らがいる。レンジャースのダルビッシュ有投手も2010年頃に取り入れ、投球の幅を広げた。力の入れ具合で、変化をコントロールする技術も持っているという。
もちろん、このボールだけに頼るわけではない。ほかの球種も磨く中で、引き出しの一つになる。果たして、ワンシームは菅野、山口のさらなる飛躍のきっかけとなるか、注目だ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count