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問われる金本監督の手腕 遊撃・鳥谷の起用法が阪神の浮沈のカギに?

「鳥谷の攻撃力の高さ」が阪神を悩ませる

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阪神各ポジションの攻撃力と守備力(2015)

 しかし、昨シーズンの阪神の主力選手は、打力(得点力)はあるが、守備力に欠けるアンバランスなタイプが多く、単純に守備力の高い選手に置き換えることで課題解消を図るのが難しい。

 昨シーズンの阪神の各ポジションの得点力と守備力のバランスを見ると、まずマートンが守った左翼が両面でマイナスとなっている。弱みとなっており、放出は妥当な判断だったといえる。

 また、鳥谷敬が守った遊撃でバランスが崩れている。UZRでの評価では、鳥谷の守備力は2014、15年と2年続けて低下。15年は遊撃手の平均レベルを大きく下回っており(-20.4)、加齢もしくは故障の影響がうかがえる。一方で攻撃面、得点を生み出す力では遊撃手の平均レベルを大きく上回っており(27.3)、貢献量で出入りの激しい選手だった。大和、江越大賀らが守った中堅も逆のパターンでバランスが崩れており、攻撃で-21.6、守備で14.4となっていた。

 ディフェンスの強化を図りながら、現状維持以上の得点力をつくりだすためには、こうしたポジションでの数字の改善が必要だ。しかし「鳥谷よりも守備力に優れ、同じ得点力を備えている遊撃手」「大和や江越と同等かそれ以上の守備力を備え、得点力を備えた外野手」への入れ替えは簡単にできそうもない。現有戦力のやりくりで改善するしかないだろう。

 鳥谷については、守備でのマイナスを少しでも小さくするためのコンディション管理が鍵を握る。ただし、休ませすぎれば、代わりに出る遊撃手が相当頑張らない限り攻撃力は落ちる。守備のマイナスを小さくしても、攻撃のプラスも小さくなり効果を生まない可能性がある。

 このマネジメントは金本監督の手腕が問われ、また阪神の浮沈にも関わる重要な部分といえる。ただ金本監督は鳥谷が継続している連続試合出場記録、連続フルイニング出場記録の延長を求める発言をしており、この2年と同様、遊撃での常時起用が予想される。

 これが鳥谷の意欲を高めようという判断によるものか、鳥谷の攻撃力の替えは効かないという判断によるものかは量りかねるが、転換が必要な状況が訪れた場合、柔軟な対応ができるだろうか。

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