ヤンキース・キャンプ地に「禁煙の相談乗ります」の張り紙 MLBタバコ事情

名選手の死去で使用禁止の声高まる

 そもそも、なぜこういった法令が成立することになったかというと、青少年への悪影響を懸念しているからだ。

 洋の東西を問わず、野球選手をはじめとするスポーツ選手は、子供たちから尊敬され、お手本となるべきだと考えられている。憧れの選手が噛みタバコを愛用していると知ったら、子供たちがそれを真似る可能性は否定できない。

 メジャーリーグ機構では、2011年からチームが噛みタバコを選手に供給すること、テレビに映るところでユニフォームを着た選手が噛みタバコを持ち歩くことや使用することを禁止しているが、2014年に殿堂選手トニー・グウィン氏が噛みタバコの使用が原因とされる唾液腺ガンを患った末、54歳の若さで他界したことで、噛みタバコ使用を禁止しようという声が高まった。

 日本では煙の出る通常のタバコが一般的だが、米球界では噛みタバコの方が一般的だ。タバコの葉をひとつまみ、歯と下唇の間に入れて楽しむ噛みタバコは、煙の出るタバコとは違って、副流煙による周囲の人々への影響はない。その一方で、フィルターを通さずにニコチンを直に体内へ取り入れるため、使用する本人の健康には、通常のタバコ以上の悪影響が報告されている。

 ヤンキースの救援投手アンドリュー・ミラーは以前噛みタバコを愛用していたが、数年前にやめたという。「そういう法案ができたなら、それに従うしかない。だけど、噛みタバコは違法なものではないし、コンビニでもすぐ手に入るもの。法案に対する反対運動を起こそうという関係者が現れるとは思わないが、誰かが違反して罰金を科された時、どんな反応が起きるのかは興味深いね」と話している。

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