オリックスの「ぶれない軸」 斬新な取り組みが生まれ続ける理由とは

以前とは印象が変わった京セラドーム大阪、オリックスの取り組みとは

 久しぶりに訪れた京セラドーム大阪はだいぶ印象が変わっていた。

 リニューアルされたオフィシャルチームストア「Bs SHOP」は広大なスペースへと生まれ変わり、以前まではチームカラーの濃い青を基調としていた空間も、爽やかな印象を与えるライトブルーに変わっていた。女性ファンの「オリ姫」が増え、彼女たちが居心地良く過ごせる空間にするため新設された女性専用トイレ、そして赤ちゃん休憩所の「B’sルーム」と、全体的にフレンドリーで、爽やかな空間へと変貌していた。

 その京セラドーム大阪の社長を務め、斬新なアイデアでさまざまなイベントに取り組む、オリックス・バファローズをけん引する湊通夫専務取締役・事業本部長に話を伺った。

「お客さんが楽しんでもらうために何をするか」がオリックスのファンに対する「B to C」の軸である。

 イベントを開催するには、お客さんに「安全・安心を与える運営の部分」と「楽しんでもらう」という二つの側面がある。オリックスファンに楽しんでもらうためアイデアを出し続け、あえて運営とお金の部分はまず排除する。運営すること、そして楽しんでもらうことは共に重要であるが、安心・安全を真っ先に考えてしまうと、面白いものは生まれにくい。

 何十年も興行を続けていれば、ある程度のアイデアはすでに形となっている。だが時代に合わせた切り口で、過去に開催されたイベントでも違った光を当てることによって、今のトレンドに合わせた新しい形にすることができる。ファンに楽しんでもらうために、光のベクトルを変えていくことで、ソフトの見せ方に多様性をもたらすことができる。

 オリックスでは2、3年前から各部署の人間が集まるイベント会議を行い、具体的なアイデアを出すところから始めていたが、今ではそのイベントでお客さんを何人集めるのか、どれほどの収益が見込めるのか、そして広報活動の展開方法など、さまざまな切り口を細分化している。アイデアを出すだけではなく、出てきた案の使い方をそれぞれの目的にどうフィットさせるかを考えていく。イベントの軸にまずはアイデアを立て、それを形にするための努力を怠らないからこそ、オリックスでは斬新な取り組みが多く生まれている。

 その象徴とも言えるのが、「オリ達デー」と「オリ姫デー」で選手たちが着用する球界初のチェック柄ユニフォームだ。

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