球団史上初の新人から3年連続2桁勝利へ ロッテ石川を成長させる貪欲な姿勢

慢心せず、満足せず、自分を過剰評価せず

 それでも石川は決して大口を叩く事はない。むしろマイナスな言葉ばかりが続く。「ボクなんて全然です」「調子がいい? 結果が出ているだけで、自分がいいわけではない」。マスコミからの取材を受けている際も景気のいい話はまるでない。それがまた石川の良さである。

 慢心をすることはない。満足する事もない。自分を過剰評価することもない。だから、いつも貪欲に新しい事にチャレンジする精神を忘れない。日々の練習に妥協がない。その結果としてルーキーイヤーからの2年連続2桁勝利があり、球団史上初の3年連続への期待が高まる。

「今回、結果が出たとしても、今回は今回。内容はそれほど良くはなかったですし。次は次。気を引き締めていかないといけない。1試合1試合、1球1球を大事に投げるだけです。チームが勝てばそれでいいですし、本当に明日は明日になってみないと分からない。だから、気を引き締めてやるだけです」

 今やマリーンズ先発陣において、エースの涌井秀章投手に次ぐ絶対的な存在となっている。それでも本人は至って冷静。球団史上初となるルーキーイヤーからの3年連続2桁勝利という周囲からの期待にも気負うことなく、これからも淡々と地に足をつけながら白星を重さね、結果を出し続けるはずだ。

 人呼んで「マリーンズの石川五右衛門」。今オフ、どんな絶景を見る事になるか。今から楽しみにしていたい。

【了】

(記事提供:パ・リーグ インサイト

マリーンズ球団広報 梶原紀章●文 text by Noriaki Kajiwara

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