ロッテドラ1平沢が2軍戦で地元“凱旋”「声援をくれてすごくうれしかった」

常に持ち続けている謙虚な姿勢

 昨年のドラフトでロッテと楽天の2球団が競合した。高い評価を受け、高卒新人内野手としては、88年の中日・立浪以来となる開幕スタメンもささやかれた。キャンプは1軍を経験。連日、メディアをにぎわせ、平沢を見ない日はなかったのではないだろうか。

“普通の高校生”ならば、鼻が高くなったり、自身を過大評価したりしてもおかしくないところ。しかし、平沢は自分を見失うことなく、周りを気にすることはなかった。おそらくそれは、仙台育英高での3年間、常に「謙虚」でいることを言われ続けてきたからだろう。

 どんなに評価が上がっても、「自分はうまい」とか「自分はすごい」とか思うことなく、地に足をつけて練習に練習を重ねてきた。目に見える結果でも、高校3年の夏は、甲子園で3本塁打を放ち、強烈なインパクトを残したものの、宮城大会の全6試合で放ったヒットはわずか3本。そんな経験の1つ1つが今の平沢を作っている。

「スピード感とか、いろんなことが高校とは違うので慣れることが大事かなと思います。まだまだ課題ばかりなので、その課題を1つでも克服できるようにしたいです。1日でも早く、1軍に上がって、宮城にまだ戻って来られればいいなと思います」

 昨夏、予選で3安打ながら、甲子園本番までのわずかな期間でスイング軌道を修正して大暴れ。課題を克服し、“つかんだ”後の平沢に期待せずにはいられない。プロはそんなに簡単ではないかもしれないが、ポンと昇格した瞬間に何かをやってのけるかもしれない。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY