選手全員参加による23時の募金活動 ファン・選手・職員が一丸となった夜

23時から始まった募金活動と東北からの想い

 7回裏が終了すると、設営を終えた会場に職員が集まった。試合は3-3のまま3試合連続の延長戦に突入。いつ訪れるか分からない試合終了に備えて、ファンも職員も寒空の下、会場で静かに試合を見守った。延長12回裏に嶋選手のサヨナラ打が飛び出すのは、その1時間後。打球が左翼手の頭上を越えると、歓喜の声がスタジアム内外から沸き起こった。

 4時間37分の激闘。連敗を6で止めた殊勲のキャプテンは、ヒーローインタビューでお立ち台に上がると熱く呼び掛けた。「5年前、ここにいる皆さんもそうですが、震災が起きてから、たくさんの人たちに支えられました。今、熊本で、たくさんの人が困っています。ここにいる皆さんも、少しでも力になれるよう、少しでも“温かい気持ち”を送って、日本を盛り上げていきましょう!」。その言葉は、ファンの、そして職員の心も昂ぶらせた。

 サヨナラ勝利の興奮も冷めやらぬ中、23時から始まった募金活動。Koboスタ宮城の外周は、多くのファンで埋め尽くされた。長蛇の列は途切れることがない。この日の募金活動で、100万円近くの厚意が寄せられた。

 東北の地で、私たちが出来ること。銀次選手は、「東北では苦しい日々が続いたので、少しでも力になればいいかなと思いました。こういうことが出来て、すごく良かったです」と振り返った。痛みを知った者は、人に優しくなれる。東北からの想い。10日ぶりの勝利で熱狂が最高潮に達したKoboスタ宮城は、いつしか温かい空気に包み込まれた。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

イーグルス球団広報 田辺泰樹●文

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