DeNAドラ1今永に他球団も最大級の評価 直球の質はチェン、杉内クラス?

「これだけ試合を作って4敗しているのは本当にかわいそう」

 直球の質を証明しているのが、奪三振率の高さだ。10.96は阪神・岩貞の11.51に続いて、規定投球回に到達している選手ではリーグ2位。チェンジアップも有効に使える右打者は被打率.167(左打者は.269)と抑えており、野口氏は「高めの真っ直ぐ、インコースの真っ直ぐが当たらない。当たっても前に飛ばない。それを意識すると、低めのチェンジアップで(打者のバットが)くるくる回る」と総合力の高さも称える。左打者についても「チェンジアップはなくなりますが、真っ直ぐ、スライダーに、たまに緩いカーブを投げる。左打者にもインコースにしっかり投げられるから、被打率の割に点を取られないと思います」と分析する。

 そして、その“頭脳”も好投を支える大きな要因の1つだという。

「今永について、DeNAのチームの裏方さんに話を聞いたら、みんな口をそろえて『頭がいい』と言います。そして、『研究熱心だ』と。阪神と初めて対戦した時には、5回まで1失点に抑えていて、6回に江越にライトのフェンス直撃のタイムリーを打たれて負け投手になりました。その反省を踏まえているから、2度目の対戦の時には、江越に投げミスをしないし、インコースの高めにバンバン投げ込んでいた。チェンジアップとの組み合わせで、江越は手も足も出ませんでした」

 対戦を重ねれば、他球団の研究も進んでいくことになるが、今永もそれを上回る対策を立てていくかもしれない。野口氏は「これだけ試合を作って4敗しているのは本当にかわいそうですね。いいピッチャーです」と最後まで手放しで絶賛した。ルーキー左腕が、巻き返しを目指すDeNAを牽引していく存在となりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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