ハム・レアード看板直撃弾の副賞が話題に 米では雄牛直撃でステーキも!?

メジャーではトラックをゲットしたファンも

 この企画には総勢20人が参加し、売れたチケットは57枚だ。売り上げだけでなく、話題性、そしてファンには夢を叶えさせるチャンスを与えたプロモーション企画となった。

 日本では看板直撃ホームランでの副賞は身内(選手)へ与えられるものが多いが、米国ではダーラムの例があるもののさほど多くはない。どちらかと言えば、ファンを巻き込んだプロモーションのほうが多い。シンシナティ・レッズの本拠地「グレート・アメリカン・ボールパーク」の左中間の深い位置にはトヨタ・タンドラのトラックが止まっている。そのトラック、もしくは右中間のトヨタの広告看板に選手がホームランを放てば、試合前に選ばれたファンがトラックを副賞として得ることができるという企画がある。

 8年間トラック直撃弾が出ることはなかったが、2015年シーズンにレッズのジェイ・ブルース選手はトラックを直撃する当たりではなかったものの、期間限定のルールの下、初めてトラック受賞者を出すホームランを放った。

 なかなか出るものではないが(むしろ出過ぎてしまっても、スポンサーとしてはたまったものではないが……)、プロモーション企画が1つの形として成立した時には大きな話題、そして1人の絶大なるファンを生む企画となった。トラックがスタンドに止まっているだけで、来場客の目に入り宣伝としては看板と同様の価値もあるだろう。

 今回は思わぬ形で、プロ野球では当たり前のことが米国でも話題を呼ぶことになった。だが米国でも特有の企画は数多く存在する。日米でのさまざまな企画を共有し、アイディアが溢れることで、多くが楽しめる場が今後も広がっていくことを望みたい。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」新川諒●文

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