米辛口記者がローズに呼び掛け「先頭に立ってイチローを祝おう」

キャンプで1人黙々と練習するイチローに「モーツァルトのよう」と感嘆

 13日(日本時間14日)パドレス戦で3安打したマーリンズのイチロー外野手が日米通算安打数を4255本とし、ピート・ローズの持つ歴代最多安打記録4256本までマジック1となったことで、アメリカでは日米通算記録の捉え方についての議論が噴出している。13日の米全国紙「USAトゥデー」電子版では、祝福ムードに沸く日本に対して「彼らは(安打王の)自分をヒットクイーンにしようとしている」と嫌悪感を示すローズの様子を伝えていた。

 頑ななまでに「日米合算記録は認めない。日本の野球はメジャーより劣る」と主張しているローズ氏に対して、舌鋒鋭いことで知られるニューヨークのジョエル・シャーマン記者が「NYポスト」電子版で「ピート・ローズの嫌みにイチローの記念すべき瞬間を台無しにさせるな」と題したコラムで、ローズ本人に「寛大になろう」と呼び掛けている。

 イチローがヤンキースに在籍した2014年の春、オープン戦遠征メンバーに入らず、球団キャンプ施設に残って練習するイチローの姿を偶然見掛けたシャーマン記者は、「45分間も、イチロー・スズキは本塁に立って、打席で素振りしてから全力でベースを走る練習をしていた。」と当時の様子を振り返っている。遠征に同行しないのはベテラン選手の特権で、早めに練習を切り上げて家族との時間を楽しむ人が多い。だが、単打からの本塁生還、二塁打からの本塁生還、最後はランニングホームランで締めくくる走塁練習を一人黙々とこなすイチローの姿に感嘆したという。

 翌日イチローに練習の話を聞くと、「試合のあらゆる可能性に対応できるようにしておきたい」という答えが返ってきたそうだ。「人類最高の俊敏な運動能力とハンド・アイ・コーディネーションを持った男でも「正確で無駄ない動きに磨きが掛かったのは、私が見たような練習を何百時間と繰り返したから」と陰の努力を称え、「自分の技術を無駄にしない天才。モーツァルトも一人でピアノを弾き続けた」と不朽の天才音楽家を引き合いに出して絶賛している。

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