広島鈴木、前夜の反省生かし史上10人目2戦連続サヨナラ弾「ノーステップで」

緒方監督も驚嘆「表現のしようがない」

 広島の鈴木誠也が、18日のオリックス戦で2試合連続のサヨナラ本塁打を放った。史上10人目、球団では84年の長嶋清幸以来、32年ぶりとなる快挙に、鈴木はお立ち台で「超最高でーす」と絶叫した。

「(打ったのは)フォークです」と話を切り出した鈴木は、こみ上げてくる笑顔を隠しきれない表情で、取り囲んだ報道陣の質問に答えた。1-3で迎えた9回裏、1死一、三塁と本塁打が出ればサヨナラの場面だったが、打席では「昨日の場面は全く頭になかった」と振り返った。

 鈴木は「とりあえず1点でも思って、思い切っていきました。打てるとは思わなかったけど、食らいついていった。ホームランになってよかったです」と興奮ぎみに話した。

 相手投手の平野には、前日の試合の9回裏、一打サヨナラの場面でサードゴロに打ち取られていた。「昨日、対戦した時に、タイミングが合わなかった。平野さんのクイックは速いので、足を上げていたら対応できない。だからノーステップで打ちました」と前夜の失敗を生かした一発だった。

 史上10人目の快挙には、「興奮していたし、なんとも言えない。うれしいとしか言えないです」と言いながら、「本当にわからないです。覚えてないです」と、冷静さを失っていた。

 鈴木の連夜の活躍に、緒方監督も「表現のしようがない。すごいよ。それしかない」と、エルドレッドの離脱後、クリーンアップに抜擢した若鯉の飛躍に驚きを隠せない様子だった。

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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