「早大ブランド」の輝きを再び 2年目日本ハム有原の光る安定感

昨季新人王の有原、2年目のジンクスと無縁の6勝、防御率1.96

 以来、「早稲田出身のドラ1」という金看板を背負う逸材を疑問視する声が強まった。有原自身もドラフト指名当時は4球団が競合しながら、右肘の故障を抱えていたこともあり、プロでの活躍を懐疑的に見る向きもあった。しかし、昨季は8勝ながら新人王を獲得、今年は「2年目のジンクス」を感じさせない活躍ぶりで、その評価を不動のものにした。

 早稲田といえば、早慶戦が未だにNHKで生中継されるほどの人気を誇る。加えて六大学でも唯一、選手、マネージャーも含め、女子禁制の立場をとり、そのマネージャーも一般学生からは採用せず、選手として入部した1年生からオフに毎年1人ずつ転向させるなど、独特の伝統と格式を保ちながら、歴代最多となる45度のリーグ優勝を積み上げてきた。

 有原は広陵高時代、センバツで4強入り。ドラフト1位候補と騒がれた。右肘の故障もあったが、「WASEDA」のユニホームを着て神宮でプレーすることに憧れ、早大の門を叩いた一人だ。そんな先輩に続こうと、石井一成(4年)、大竹耕太郎(3年)らプロ入りを狙う逸材が現在もいて、奮闘を続けている。

 目下、最多勝や最優秀防御率など、タイトルも狙える好成績を残している有原。和田、青木、鳥谷以降、なかなか出てこなかった早大出身の実力を兼ね備えたスター候補といえるだろう。その投球で結果を残すたび、野球界における「早稲田ブランド」は、かつての輝きに近づいている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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