イチローが明かすメジャー1年目春の心境「孤独な感じがした」

メジャー16年目のシーズンを送る現実「そのことが僕は誇らしい」

 記事によれば、イチローは当時のチームメイトに悪口を言われていたことも知っていたそうだ。また、監督だったルー・ピネラ氏が「よくて(打率).280打者にはなれるだろう」と日本メディアに話していたことも分かっていたという。結局、2001年は打率.350で新人王とMVPを同時受賞する快挙を果たし、その年から10年連続200安打以上という驚異の記録も残した。

 記事ではこれまで3000安打を達成した29人のうち、アメリカ50州以外の出身者がわずか3人であることも紹介。イチローは、ロベルト・クレメンテ(プエルトリコ)、ロッド・カルー(パナマ)、ラファエル・パルメイロ(キューバ)といった偉大な面々の仲間入りを果たすことになるという。

 渡米1年目の春には「1年持たないんじゃないかという人もいた」と明かすイチローは、今回の記事を執筆した同紙記者に対し「いろいろなことが耳に入ってきた。でも、今日ここで、あなたが僕にこういった質問をしている現実がある。そのことが僕は誇らしいですね」と話し、1年どころかメジャーで積み上げた16年のキャリアにプライドを覗かせたそうだ。

 懐疑的な目と孤独な思いから始まったメジャーでのキャリア。1本目から始まった安打数は「3000」の金字塔に近づいているが、これもまたイチローにとっては、単なる通過点でしかないのかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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