イチローへの敬意溢れた敵地の“歓待” 名捕手は「大事な瞬間」に粋な計らい
モリーナの粋な計らいに称賛の声「彼はすごく大事な瞬間だと理解している」
イチローが打席に入り、場内から拍手が沸き起こると、モリーナはわざと立ち上がり、プレートの前の土を払うようなしぐさを見せた。そして、歓声が次第に大きくなる中、ゆっくりとホームベースの後ろに戻った。名手の一連の動作は、観衆がイチローに十分な喝采を送るだけの時間を作るためのものだった。
敵地で中継した「FOXスポーツ・ミッドウェスト」の実況もモリーナの粋な計らいを称えた。実況は「イチローが本当に素晴らしいオベーションを受けたので、ヤディはプレートを外しました」と対戦相手の“レジェンド”に対するモリーナの配慮だったことを強調している。
さらに、ゴールドグラブ賞8度受賞の元外野手で、カージナルスOBとして解説を務めていたジム・エドモンズ氏は「試合の流れを読む、彼(モリーナ)の賢さを証明しました。彼は野球というものを理解しています。彼はここがすごく大事な瞬間だと理解しているのです。同時に(イチローに)すごく大きな敬意も払っています」と語った。3000本に迫る名手に対するモリーナの特別な想いが、そこには存在したという。
スタンディングオベーションを受けたイチローはヒットで出塁。一塁上でも観衆から大きな拍手を受けると、その後、プラドのタイムリーで同点のホームを踏んだ。マーリンズの逆転勝利に大きく貢献した背番号51は、敵地のファンや選手からも敬意を払われながら、金字塔へ向けて着実に歩みを進めている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count