米紙が特集したイチローと敵コーチの“絆”「彼はまだ終わっていない」
イチローに熱視線送るフィリーズコーチ 「彼を本当に尊敬している」
18日(日本時間19日)から始まったフィリーズ-マーリンズの4連戦。イチロー外野手が所属するマーリンズは敵地に乗り込んだ初戦で延長11回に3-2と競り勝ち、ナ・リーグ東地区で単独2位に浮上した。前日のカージナルス戦で3安打を放ったイチローはこの日ベンチスタートとなり、途中出場で1打数無安打1四球。3000安打の金字塔に残り「6」のままとなっている。
そのイチローと敵同士として対戦を迎えたフィリーズのジョン・マクラーレンコーチがこのほど同選手との秘話を振り返っている。米地元紙「フィラデルフィア・インクワイアラー」電子版が「フィリーズコーチとイチローの絆」との見出しで特集している。
64歳のマクラーレンコーチは長年、メジャー球団の指導者を務めており、イチローが2001年に加入したマリナーズではベンチコーチを担っていた。同氏は記事の中で当時を振り返り、あるエピソードを披露している。
イチローが加入した当初のこと。スプリングトレーニングを見た当時のルー・ピネラ監督はメジャー投手の速球に対応できるか不安となり、イチローに「ボールを引っ張ったことがあるか?」と問いかけたという。その際、「時々ですが」と答えたイチローはその後の試合でライト方向に強烈な本塁打をマークし、その不安を吹き飛ばして見せたそうだ。マクラーレンコーチは「イチローはダグアウトに戻ってきて、ヘルメットを取ったんだ。そして立ち止まりこう言ったんだ。『あれがボールを引っ張るってことですか?』と。僕たちは笑ったよ」と振り返っている。