広島・野村にエースの自覚 自己最多タイ12勝目も勝ち星「全く考えてない」

万全ではない状態でのマウンドも「最低限、自分の仕事はできた」

 広島の野村祐輔が22日の阪神戦に先発し、6回1失点で自己シーズン最多タイとなる12勝目を挙げた。自身8連勝で、最多勝争いでは独走状態となりつつある右腕は、「勝つ投球が今はできている」と、力強く話した。

 緒方監督が「腰に張りがあったようだ」と試合後に明かしたように、前半戦最後の登板から中2日でオールスターに登板し、体調万全ではない状態でのマウンドだった。野村は「(体調面の不安は)ゼロではないけど、最低限、自分の仕事はできたと思う」と安堵した様子だったが、「どんな状態でも、自分のベストを尽くすことしか考えていない」とエースの自覚ものぞかせた。

 11勝を挙げた前半戦から、後半戦の再スタートの試合となったが、「これまでと何も変えていない。今まで通り」と、平常心を強調。1、2回と2イニング連続で先頭打者を出したが、失点は2本の二塁打を打たれた4回の1点のみにとどめた。野村は「ランナーを出しても、最少失点で粘れた。要所でインサイドをうまく使えたし、緩急も使えた」と、自身の投球を分析した。

 7月で早くもシーズン自己最多タイとなる12勝をマークしたが、「(勝ち数については)全く考えてない」と、冷静な表情を崩さなかった野村。過去2年間の不振から見事立ち直り、今やジョンソンと並んで左右の先発の軸となっている。

【了】

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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