記録的ペースでHR量産 オリオールズに見るメジャーの攻撃トレンドの変化
元阪神クールボー氏も好感触、「得点の取り方も変わってきている」
昨季からオリオールズの打撃コーチを務めている元阪神のスコット・クールボー氏は「長打力はうちの最大の長所だ。トロンボとアルバレスが加わったことでさらに厚みが増し、上位から下位まで一発で試合の流れを変えることができるようになったのは大きい」と話す。
またリーグ全体を見ても、近年、本塁打数が増加傾向にあるようだ。今季は前半戦で18人が20本塁打以上をマーク。開幕から4試合連続アーチを放ったロッキーズのトレバー・ストーリー(23歳)やカブスの中心打者に成長し、今季25本塁打を放っているクリス・ブライアント(24歳)ら若いホームラン打者の台頭も目立つ。
近年はバントの数が減り、チームはより長打を求める傾向が強まっている印象だ。クールボー氏は「昨季、プレーオフに出たチームはロイヤルズを除いてすべて長打力のあるパワフルなチームだった。ここ数年で投手のレベルが高くなったように、攻撃のトレンドとして得点の取り方も変わってきている。一つのスイングで3点を奪えるような攻撃の方が、相手投手にプレッシャーをかけられるからだ」との見方を示す。
小技で1点を取りにいくよりも、四球で走者をためて長打で一気に試合の流れを決める攻撃が現在の主流となってきているメジャーリーグ。2011年以降の5シーズンで13年を除く4度、リーグ最多本塁打を記録したチームがア・リーグ東地区を制しているのも偶然ではないだろう。(11年ヤンキース、12年ヤンキース、14年オリオールズ、15年ブルージェイズ)。オリオールズのトレンドに沿ったチーム作りはここまでのところ、形になって表れている。(成績は24日終了時点)
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伊武弘多●文 text by kouta Ibu