イチロー、会見の一問一答 「これからは感情を少しだけ見せられるように」

「人に会いたくない時間もたくさんありました」

――27歳でのデビューは3000安打到達者でも最も遅い。そこからここにたどり着いたことについては?

「そのことはそんなに僕の中では大きなことではないんですけれども、2年くらい遅いですよね。感触としては。ずいぶん時間がかかったなという感触です」

――2998安打になってから、9日間進められない状況。でも、いつも敵地でも素晴らしい迎えられ方をした。どんな気持ちで毎日を過ごしていたのか?

「セントルイスから球場の雰囲気、ファンの人たちが特別な空気を作ってくれて迎えてくれたことから始まったんですけど、ずいぶん長い時間、まぁホームで決めるというのがなんとなく人が描いたイメージだったと思うんですけど、なかなかそんなうまくいくわけもなく、それも分かっていたことですし。でも、これだけ長い時間、特別な時間を僕にプレゼントしてくれたっていう風に考えれば、この使われ方もよかったなというふうに今は思います」

――その時はそういう風に思えないこともあったと思いますが。

「人に会いたくない時間もたくさんありましたね。誰にも会いたくない、しゃべりたくない。僕はこれまで自分の感情をなるべく殺してプレーをしてきたつもりなんですけども、なかなかそれもうまく行かずという、という苦しい時間でしたね」

――イチローさんはよく感謝という言葉を使います。この3000本を打ったこの日に、感謝という言葉をどなたに伝えたいか?

「それはありきたりになってしまいますよね。これだけ長い時間いろんな場所から集まってくれて、それはもう今さら言うまでもないですよね。でも、3000を打ってから思い出したことは、このきっかけを作ってくれた仰木監督ですね。神戸で2000年の秋に、お酒の力を使ってですね、僕が口説いたんですけど、その仰木さんの決断がなければ何も始まらなかったことなので、そのことは頭に浮かびました」

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