首位・広島が正念場 先発投手コマ不足の中で定着期待の九里亜蓮

戸田、岡田の相次ぐ故障離脱で九里に掛かる期待「与えられた仕事を全うする」

 25年ぶりのリーグ優勝を目指す広島が、試練の時を迎えている。戸田隆矢、岡田明丈の相次ぐ故障離脱で、先発投手の頭数が足りない状況となっている。今週末には、ここまで中継ぎで44試合に登板しているヘーゲンズの先発起用が有力視されているが、10日の試合で中継ぎ登板。緒方監督は「投手陣の人数が足りない中での起用」と説明した。「限られた人数」の中で先発定着が期待される九里亜蓮が、11日の阪神戦(マツダスタジアム)に先発する。

 九里は「今季は先発も中継ぎもやらせてもらっているが、自分としては与えられた仕事と全うすることしか考えていない」と、自らの立ち位置を理解している。今季はリリーフでの防御率1.93に対して、先発では6.98と数字は今ひとつだが、唯一の勝ち星は5月26日の巨人戦、6回を2失点に抑えたものだった。

 先発マウンドに向けて、九里は「しっかりバッター1人1人と勝負する気持ちで、1球1球気持ちを込めて、できるだけ長いイニングを投げたい」と意気込んだ。阪神打線については、「いい打者が多いので、打たれても根気強く投げていきたい」と、粘りの投球で打線の援護を待つ。

 10日の試合では勝利は逃したが、7月28日に一軍復帰した福井優也が6回2失点で試合は作った。緒方監督が「1軍、2軍も含めて先発を任せられる投手がいない状況」と頭を悩ませる中、野村祐輔、ジョンソン、黒田博樹に次ぐ先発要員として、プロ3年目の右腕にかかる期待は大きい。

【了】

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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