悲願の25年ぶりリーグ優勝へ前進…通算201勝の黒田博樹が抱く広島への愛

14年土砂災害後は被災地で復旧作業に参加、黒田が広島にもたらした“元気”

 20日のヤクルト戦に先発し、7回無失点の好投で今季8勝目を挙げた広島・黒田博樹。7月23日に日米通算200勝を達成して以来、自身4試合ぶりの勝利となったこの日は、黒田にとって特別な日だった。

 2014年8月20日、広島市は豪雨による土砂災害に見舞われた。死者77人という大災害の被災地に、当時ヤンキースに所属していた黒田がシーズン終了後の10月に訪問し、復旧作業に参加していたことが、複数のメディアで紹介されている。被災地に自ら出向き、住民やボランティアとともに汗を流した黒田は、自らの存在に気づいて「メジャーで頑張っていますね」と声をかけた被災者に対して、「本当に頑張っているのは皆さんです」と返したという。

 試合前には、広島県出身で青山学院大学陸上競技部の原晋監督の始球式が行われるなど、普段と変わらぬ雰囲気で始まったこの日、黒田は「グラウンドでしっかり野球と向き合って、広島を元気づける手助けができれば」という意気込みでマウンドに上がった。「ここ何試合は試合で調子がいいと感じたことはない」という黒田は、「ブルペンから体が重かった」という言葉通り、初回から2安打を許す苦しい立ち上がりとなった。

 それでも、このピンチを無失点に切り抜けると、2回以降は「テンポよく低めに投げられた」という持ち味通りの投球で内野ゴロの山を築き、7回までヤクルト打線を無安打に抑えた。5回に四球で許した唯一の走者も、内野ゴロ併殺打でピンチを広げることはなかった。

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