つなぎの野球への転換、キーマンはイチロー PO進出争いで高まる期待
「イチローのような経験豊富なベテランは頼りになる」
「この時期は春先と同じ打撃をしていてはいけない。走者を進めたり、待球したり、状況に応じた打撃が必要とされる。スタントンという打線の柱を失った今、つなぐ意識が重要となる」と分析。その中で「イチローのような経験豊富なベテランは頼りになる」と話す。
23日のロイヤルズ戦でイチローはその言葉を実践している。4回1死一塁で、1ボールから外寄りの球を強引に引っ張り、二塁前に転がした。若干打球が二塁ベース寄りに飛んだため、走者を進めることはできなかったが、ベテランが手本を示すことで、意識はより大きくなる。26日のパドレス戦でも9回1死二塁で冷静に四球を選び、サヨナラ勝ちにつなげた。
コーナイン氏は「マーリンズは実績の少ない若い選手が多い。イチローやプラードが常々しっかりと手本を示していることはチームに大きい」と期待を寄せる。
ワールドシリーズには縁のないイチローだが、2001年と2012年に出場したポストシーズンでは走攻守に活躍。通算打率3割4分6厘をマークしている。日米通算安打でのピート・ローズ超えにメジャー通算3000安打到達と、イチローの輝かしいキャリアに改めてスポットライトがあたったシーズン。10月の短期決戦で再び、51番がプレーすることになればレジェンドのワールドシリーズへの挑戦として注目を集めるはず。嵐の過ぎ去った後の南フロリダを引き続き見守りたい。
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伊武弘多●文 text by kouta Ibu