【U-18アジア選手権】寺島の快投を好リードと先制弾でサポート 頼れる女房役・九鬼隆平

4回には左翼ポール際に先制ホームラン「あそこから勢いづいた」と指揮官

 実はこの日、中国の先発を務めた左腕サンも、想像以上の投球を見せた。1回に内野安打で出塁、2回と3回には四球で出塁したが、それでも三塁まで到達できず。小枝守監督は「できれば(打順が)一廻りの間に点を取りたかったんですけど取れなかった」と振り返ったが、漂い始めた嫌なムードを払拭したのが、4回先頭で打席に立った九鬼の先制ホームランだった。打席に入ると、初球を迷わず振った。「センターから右中間(への打球)を狙っていたが、インコースに来たので、振り抜いたらホームランになりました」という打球は、照明の薄暗い球場で左翼ポール付近に、文字通り消えていった。

 先制点を奪った日本は、佐藤勇基(中京大中京)がスクイズで1点を追加すると、5回にも林中勇輝(敦賀気比)の左中間を破る3点三塁打などで、結局8点を奪うことに成功。小枝監督は「九鬼が1本打ってくれて、そこから勢いづいたかなって感じは否めないですね」と、リードはもちろんバットでも大貢献した九鬼を褒めた。

 2大会ぶりの優勝を目指す日本は、3日に韓国と対戦。もし負けたとしても決勝戦に進む可能性は残されるが、そこは他力本願にはなりたくない。「(打者のタイミングが合ってきた時)どうかわすかじゃなくて、どう攻めていけるかっていうのが大事だと思います」という積極的な姿勢で投手陣を盛り立てる九鬼が、残り2戦でどんなリードを見せるか。ホームには頼れる女房役がどっしりと構えている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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